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2018年6月、2日間にわたりUNEVEN GENERAL STORE (愛知県名古屋市)にて開催致しました「出張お直し相談室」
こちらからお持ちいただいたお直しのご紹介です。


1950〜60年代のカバーオールジャケットのお直しです。
ブランド、モデル名は不明ですが味のある雰囲気は時代を経た証しです。
ヴィンテージデニムには様々な拘りを持ちつつも、ブランドやモデルに縛られることなく自分の感性で今はこれだ!とチョイスされているお客様からのご依頼です。

ーお直し内容ー
①袖丈調整…7cmツメ
②着丈調整…4.5cmツメ

Before 画像:左
After 画像:右

今回のお直しは通常のお直しではない手法でのアプローチとなります。
ヴィンテージデニムの特徴であり魅力となる、「デニムの経年変化」
「アタリ」「ヒゲ」と言われる、擦れた跡のことを指し、デニムに立体感と味わいある表情を与えます。
この経年変化を無くすことのない各箇所のお直しを実地致します。
自然な仕上がり、直しに気が付かない「技術は透明度」と感じられるように取り組みました。



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①袖丈調整…7cmツメ
袖口には開き見せカフス仕様のディテールがある為、袖口でのツメはできません。
袖付け部分、袖山で袖丈調整を実施します。
身頃袖ぐりには「アタリ」がありますので保持。
トリプルステッチを丁寧に外し、袖山を生地目に水平垂直を図りぐるりと7cmカットします。
そして元の様に再び縫い付けます。
トリプルステッチも同じように再現いたしました。
袖ぐりのアタリはそのままです。

Before 画像:左
After 画像:右


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②着丈調整 …4.5cmカット
着丈は通常のお直しでは「アタリ」がなくなってしまい、味わいが無くなり不自然になってしまいます。
今回は、元々のアタリを利用して裾直しをする、『裾移植』方法で実施いたします。
裾の部分を切り取りこれをくっ付けます。
縫製をされる方は、ご存知の方も多いとは存じますが、
所謂、『パイピング』という方法です。
始末の仕方には、いろいろあるのですが、今回は、両方ともステッチが出るタイプです。
通常の裾巻きですと、裾部分は3枚の布になるのですが、移植をすると、裾部分は5枚になります。
身頃と裾部分の厚みの差が大きく出過ぎになります。
そこは更なるテクニックで解消し、不自然な仕上がりにならないように工夫し施します。

デニムにもいろいろ条件があるのですが、自然に仕上がる為にはケースバイケースで試みるお直しとなります。
元の裾を使用しているので自然な仕上がりが現れたと思います。

Before 画像:上
After 画像:中

デニムのように表情豊かな生地であるアイテムはその良さを生かすお直しをご提案いたします。
どうぞご参考にしてみてください。